競艇(ボートレース)のターンとは
競艇の代表的なターンは全部で5種類!主流はモンキーターン

競艇のターンは全部で5種類
存在します。
主流は握って回る全速ターンやターンスピードを重視したモンキーターンですが、
もともとはスピードを落として回る「落としマイ」が主流
で、時代とともに進化してきました。
代表的なターンは以下の通りです。
- 全速ターン
- モンキーターン
- ウィリーモンキー(ウィリーターン)
- フラミンゴターン
- スコーピオンターン
ターンで少しでも順位を上げるために開発された高難易度のものがあれば、見た目が派手なパフォーマンス的なものもあり、ターンを知ることでレース観戦もより一層面白くなります。
ここからは5種類のターンについて、詳しく説明していきます。
ターンの種類その1【全速ターン】

「全速ターン」
は現代競艇において、最もよく見られる
基本中の基本のターン
です。
ターンの種類の一つかと言われれば微妙なところですが、このターンを説明しなければ話が始まらないといえるほどのターンなのでご紹介します。
全速ターンはその名の通り
全速に近い速度でターンをする走り方
です。
減速必須と思われがちなターンですが、全速ターンはスピードを保った状態でターンを行うテクニックを指します。
一般的なターンですが、歴史を振り返ると面白いです。
1980年代までのターンは、スピードを落として小回り旋回する
「落としマイ」
が常識でした。

しかし、ミスター競艇こと
今村豊
が
「ターン時にもスピードを極力落とさない」
という新しい発想でターン練習を行うようになります。
練習中はなんども転覆を繰り返し、陰で転覆王とささやかれながらも、今村豊は決して試行錯誤をやめませんでした。
その努力が実り開発されたのが、
「ターン時もスロットルレバーを握る」全速ターン
です。
以前と比べてけた外れに速いターンスピードで、今村以前と以後では競艇が変わったと言われるほどの発明でした。
結果的に全速ターンを習得した今村豊は数々の記録を塗り替えました。
現在はこのターンがなければ戦っていけないといえるほど主流のターンとなっています。
ターンの種類その2【モンキーターン】

「モンキーターン」
は競艇ファンなら知らない人はいないといえるほどのターンですが、開発当初の1990年代は注意を受けるほど
危ないターンとして禁忌のような存在
でした。
現在では、ボートレーサー養成所のカリキュラムにも組み込まれる一般的なターンとなっています。
開発したのは東京支部の
飯田加一
。
ウィンドサーフィンにおける、外側に重心をかけることでスピードを上げるというテクニックを競艇に応用したのが始まりです。
それまでは正座もしくはひざ立ちでの旋回が一般的でしたが、
ボートの上に前傾姿勢で立ち上がり、腰を浮かせて艇の外側を蹴るようにして重心をかける
ことで、実際にターンスピードが速くなったのです。

飯田加一がモンキーターンで結果を残すようになると、若手選手がこぞって真似をしはじめました。
そのなかの一人が、艇王
「植木通彦」
です。
モンキーターンを習得した植木通彦は
1993年のSGボートレースクラシックで、モンキーターンを使う選手ではじめてSG優勝
を成し遂げます。
これをきっかけにモンキーターンを練習する選手が急増しました。
そしてマンガのタイトルにもなり、ファンの間にも浸透するようになりましたね。
ちなみにモンキーターンの名前の由来は、競馬の騎乗法の一つである
「モンキー乗り」に見た目が似ている
から。
モンキー乗りとは、腰を浮かせて背中を丸めた状態の乗り方です。
ターンの種類その3【ウィリーターン(ウィリーモンキー)】
ターンの時、ボートを左後方に引っ張ると艇が少し浮きます。
それを利用して
舳先を持ち上げ、バイクのウィリーのように空気抵抗を減らします
。
その結果、モンキーターンよりも速いターンスピードを実現しています。
ただし、ウィリーターンは艇が水面と接している面積が小さくなるため、非常に不安定な走り方で転覆も多いです。
かなりの高等技術ですので、扱える選手は一部
のSGレーサーばかり。
以下の選手がウィリーターンをよく使います。
- 池田浩二
- 坪井康晴
- 茅原悠紀
- 峰竜太
- 馬場貴也
そしてウィリーターンはモーターパワーも必要。
様々な条件が揃った時、見ることができます。
ちなみにウィリーモンキーは見た目もめちゃくちゃかっこいいです!
レースで決まったら盛り上がります。
ターンの種類その4【フラミンゴターン】
やり方は
「内側の足を艇の外に出してクロスさせる」
というもの!
片足で立つその姿が、フラミンゴに似ている点からこの名前が付きました。
派手さはないものの、余裕さをアピールしているようで面白いです。
ちなみに片足なので非常に高難易度、さらに危険性も高く、ターンスピードは少し落ちます。
滅多に見ることができないターンです。
2010年の11Rグランプリシリーズで、4コースからまくりを決めて先頭を独走した
山崎智也
が
最終第2マークでフラミンゴターン
を魅せて話題を呼びました。
動画もありますが、めちゃくちゃかっこいいです!
ターンの種類その5【スコーピオンターン】

転覆などの危険性もあり新たなターンはなかなか出てこない艇界ですが、2020年以降少しずつ話題となっているのが
「スコーピオンターン」
です。
見た目がスコーピオン(サソリ)のようになるので、格別目立ちます。
やり方ですが、まず重心を前方に傾けます。
そして
左足を後ろに上げて、そのまま自身の頭まで持ってきます
。
かなりの柔軟性が必要ですが、これで思いっきり重心が前にきます。
重心が前にきたおかげで、波を押さえつけることが可能。
出足の良いモーターの時に使うと効果的です!
開発したのは
下河誉史
(しもがわたかふみ)。
下河選手は左足を痛めたため、右足を軸にしたターンをしていたようです。
その後、左足の持病が悪化。
なるべく左足に負担がかからないターンを研究した
結果、出来上がったそうです。
現在は下河誉史、
江夏満
など少数のレーサーしか使用していないスコーピオンターン。
他にもスコーピオンターンをする選手はいるのですが、足の上げ方がいまひとつ。
自身の頭の辺りまで足を上げるのは、下河誉史、江夏満の二人だけです。
2人の活躍次第では、もっと広まっていくかもしれません。
ターンが上手い競艇選手ランキングTOP5
ターンが上手い選手は数え切れないほど存在しますが、その中でも厳選してランキング形式で紹介します。
第1位・峰竜太

峰竜太
は
艇界でも1,2を争うほどターン技術が高い
選手です。
スピードターンが魅力で、艇が水面から離れているのではと思うほどのウィリーモンキーを繰り出します。
本人いわく、モーターだけで走っているイメージなんだとか。
峰竜太の上手さはウィリーモンキーだけではなく、モンキーターンによる小回りもできるという点にあります。
空いたスペースを見逃さないまくり差しが得意で、どのコースからでも連に絡んできます。
また、ターンを活かした道中争いも非常に上手く、舟券外から気が付いたら先頭争いに・・・
なんてこともしばしば。
峰竜太が絡んだ買い目が売れまくるのは、ターン技術への厚い信頼があるからといえます。
第2位・馬場貴也

ウィリーモンキーの技術ならNo1
といっても過言ではないのが
馬場貴也
です。
荒れた水面でもウィリーモンキーを使いこなす派手な走りは、多くのファンを惹きつけます。
ターン後の加速は群を抜いていて、全速ターンは魅力の一つ。
しかし、実は馬場貴也やまくりでの勝利はかなり少なく、差し、まくり差しでの勝利がほとんどです。
ターンの上手さはまくりよりも、展開、空いたスペースを駆け抜ける判断力などが重要な差し系にあらわれます。
差しやまくり差しが多いということは、ターンが上手いことの裏付けです。
差して直線に向いたあとの、
艇が浮くほどのウィリーモンキーは馬場貴也の真骨頂
といってよいでしょう!
第3位・桐生順平

2017年のグランプリ覇者である
桐生順平
は、異次元のターン技術を持つ選手です。
鋭いモンキーターンを武器に、差しからまくりまで多彩な走り
ができるため、桐生順平が出走する際はインコースの選手へのプレッシャーが大きいといいます。
外からの全速ターンはもちろん、内から小回りするウィリーターンも使いこなすため、
道中争いも非常に強い
印象があります。
実際、峰竜太が「順平が2着にいるとプレッシャーを感じる」と語るほど。
一方調子の波があるのも事実ですので、このランクとなりました。
第4位・白井英治

サメの歯を連想するほど鋭いターンで付いた異名は
「関門のホワイトシャーク」
。
お手本のような全速ターン、モンキーターンを武器にインコースで驚異的な強さを発揮するのが
白井英治
です。
ターン技術は師匠の今村豊譲りで、2022年には師弟ともに念願だったグランプリを優勝しています。
ターン前にしっかりスピードを落とすことで、
引き波をものともしない高速旋回
を繰り出します。
そのため差しが上手く、峰選手がインタビューで、2コースで一番怖い選手は白井英治と語るほど。
鋭い眼差しに表情を変えない姿から怖そうな印象もありますが、実は
5人のこどもを育てるパパレーサー
。
かなりファン思いな一面もあり、人気な選手です。
第5位・定松勇樹

2024年5月に開催された
多摩川SGボートレースオールスターで、登録番号5000番台初となるSG優勝
を達成した
定松勇樹
は、数々のSGレーサーも認めるほどのターン巧者です。
師匠である峰竜太の教えのもと、新人離れしたターンをバンバン決めています。
握って回る全速ターンは一級品で、2・3コースからでもまくりを連発します!
スタートから展開を突くターンができ、さらに道中争いも非常に冷静なので、苦手なコースは見られません。
次世代を代表するターン巧者
だといえます。
【まとめ】競艇のターンは時代とともに進化し続けている!新しいターン誕生にも期待!
今回は競艇のターンについて見てきました。
- 競艇(ボートレース)のターンとは
- 競艇の代表的なターンは全部で5種類
- ターンが上手い選手ランキング
最初は落としマイから始まったボートレースのターン。
それから全速ターン、モンキーターンと
時代とともに進化
してきました。
選手それぞれに得意なターンがあり、見ていておもしろいですね。
今後、新しいターンが開発されることもあるでしょう。
次は
どのようなターンが開発されるのか楽しみ
ですね!