チルトを見れば明らか!伸び型か出足型か
競艇選手のコメントで「チルトをはねる」とよく聞きますね。
チルトをはねると、「出足が悪い」や「コーナーが曲がりにくい」というマイナス要素が多いイメージです。
しかし最近のレースでは、チルトをはねて伸び型にする選手が増えてきました。
さて、「チルトをはねる」ですが、こちらは「チルトを大きい数値(3.0度)にする」を意味します。
- 「チルトを下げる」-0.5度に近づける
- 「チルトを上げる・チルトをはねる」3.0度に近づける
チルトは「-0.5度、0.0度、0.5度、1.0度、1.5度、2.0度、2.5度、3.0度」の8段階があります。
チルトの角度によって「出足型」か「伸び型」かわかります。
- 「チルトを下げる」出足型
- 「チルトを上げる・チルトをはねる」伸び型
チルトを下げると出足型
チルトを下げると、プロペラがボートに対して斜め下に付きます。
この結果、艇の先は下を向くので、水面と触れる面積が大きくなりボートが安定します。
この調整を行うと、初速が出やすくターンが回りやすい「出足と回り足を重視」したモーターとなります。
その反面、水面からの抵抗は大きく、直線での伸びは今ひとつです。
チルトを上げると伸び型
チルトを上げると、プロペラがボートに対して斜め上に付きます。
この結果、艇の先は上を向くので、水面とボートが触れる面積が小さくなり水の抵抗が減ります。
この調整を行うと、直線の最大速が出やすい「伸び足を重視」したモーターとなります。
ただしボートは安定しづらいです。
初速が出にくく、ターンが回りにくい欠点があります。
プロペラ調整で整備の8割は決まる!
伸び型、出足型で欠かせないのがプロペラ調整です。
現在の競艇では、それぞれの部品の精度が向上しているので、部品交換で性能がアップする可能性は低いです。
それなら、性能に直結するプロペラ調整に力を入れた方が良さそうですね! 競艇選手の中には「整備の8割はプロペラ調整で決まる」と言っているレーサーも多くいます。
プロペラは自動車で言えば「ギア」と「タイヤ」の役目! 伸び型にするのか、出足型にするのか、プロペラ調整で可能になります。
さて、プロペラが1回転して進む距離をピッチと呼びます。
出足型にするには、ピッチが少なくなるようにプロペラを調整します。
自転車の軽いギアで走るイメージです。
回転が早くなりますが、直線の伸びは弱いです。
反対に伸び型にするのは、ピッチを大きくします。
自転車の重いギアで走るイメージです。
回転が遅い反面、直線の伸びは強いです。
アウトから一発決めたい選手が採用する場合が多いです。
モーター(エンジン)でも「伸び型」、「出足型」に調整可能
モーターの調整もポイントです。
モーターに関しては、選手がどのように調整したか「直前情報」で知ることはできません。
よって、選手のコメントや周回展示で予想を行います。
出足は旋回直後の加速、伸び足は展示タイム、回り足はターンがうまく決まっているか、で判断します。
注目なのは、外枠選手の展示タイムが良いときです。
伸び型への調整が上手くハマったと判断してもいいでしょう。
特に、4コースの「展示タイムが良い」かつ「チルトを上げている」場合、 まくり一発を狙っている可能性が高いです。
スタートが上手くいけば「締めまくり」が決まることもあります。
若手で伸び型が人気に?
若手の競艇選手は、どうしても外枠からのレースが多いです。
よって、当然伸び型のペラやモーターが欲しいはず! 最近の「伸び型のペラ」は1艇身以上伸びる場合も多くあります。
もし、伸び型のペラやモーターを引き当てたときはビッグチャンスです。
最終日のレースが終われば、そのままエンジンは格納されます。
もちろんペラの形はそのまま! レースでの活躍はもちろん、そのペラでゲージを取るなど調整の練習にもってこいです。
余談ですが、ネットオークションなどで競艇選手が使ったペラが出回っています。
自分の理想とするレーサーのペラを見つけたら、是非手に入れたい所ですね。
まとめ:「伸び型」、「出足型」を理解して予想に役立てよう
いかがでしょうか。
様々な要素から伸び型、出足型への調整が行われます。
- チルトから伸び型か出足型か簡単にわかる
- プロペラ調整で整備の8割が決まる
- モーター調整も要チェック・4コースが鍵
- 若手で伸び型が人気
全国各地で伸び型選手が急増しています。
チルトや展示タイム、そして選手のコメントに注目して予想を楽しんでください。