競艇の展示航走とは?何をするの?
競艇の展示航走では、本番のレース直前に選手がスタートやターンの練習を行います。
「1R展示航走→1R本番レース」、「2R展示航走→2R本番レース」 このような流れです。
展示航走を見ると、出走表だけではわからない情報が大量に把握できます。
例えば、「スタート隊形」、「モーターの強さ」、「スタートの調子」など判断することができます。
展示航走の流れ
展示航走の流れは以下の通りです。
- スタート展示
- 周回展示(2周)
- 展示タイムの測定
行うのは「スタート展示」と「周回展示」の2つだけ。
展示タイムは後ほど、公表されるデータです。
それでは1つずつ見ていきましょう。
スタート展示の見方と予想
競艇のスタート展示とは、「ピットアウトから〜実際のスタート」まで行われます。
ポイントは3つです。
- 進入隊形
- スタートタイミング
- モーターの行き足
まずは進入隊形を見てみましょう。
進入隊形の見方と予想のコツ
進入隊形とは「選手がどのコースからスタートするか」です。
基本は枠なり進入(枠番通りでスタート)ですが、 誰かが前づけ(インコースを取ること)を行う場合もあります。
例えば、6号艇の選手が前づけを行って「162345」の進入隊形になることも多々あります。
ここで重要なのは、スタート展示で前づけが行われた場合、本番でも前づけを行う可能性が高い!ということです。
予想をするポイントですが、前づけが行われたレースの場合、初心者は見送る。
ことをおすすめします。
進入隊形が変わると、スタートタイミングも変化するので予想が難しくなります。
さらに、展示で「162345」でも本番では「123645」なんてこともあり得ます。
(6号艇の前づけに抵抗して他艇が動いたパターン) レース展開が読みづらいので最初のうちは見送った方が良さそうです。
スタートタイミングの見方
続いてスタートタイミングです。
本番と全く同じフライング方式のスタートを見ることができます。
異なる点はスタート展示でフライングをしてもペナルティがないこと。
よって、選手はタッチスタート(.00のスタート)を狙います。
そのため、フライングをする選手が多めです。
ここでのポイントは「フライングをしても全く問題ない」ということです。
なぜならフライングのタイムを見て、選手はその分を調整すればいいからです。
逆に要注意なのは、スタートが遅れている選手です。
タッチスタートを狙っているのに、「.05」以上遅れているなど、要注意と言っていいでしょう。
スタートの良し悪しの目安はこちら
- 良い:「.05」以内のスタート、「F.05」以内のフライング
- 普通:「.05」以上のフライング
- 悪い:「.05」以上の遅れ
予想では、各選手の平均スタートタイムと展示スタートを総合して考えてみてください。
モーターの行き足をチェック
最後はモーターの行き足です。
行き足とは「ボートが最高速になるまでの加速状態」のことを指します。
行き足が良いと加速が早いです。
以下のようなメリットがありますよ。
- スタートから第1ターンマークまで早く着く
- ターン後の直線で早く最高速になれる
よって1号艇の行き足が良い場合、そのまま逃げる可能性が非常に高いです。
しかし、注意点があります。
それは行き足は「数値として出ない」という点。
展示のリプレイをよく見て、自身で判断することになります。
では、行き足の判断はどーするか?
スタート展示で、各艇のスタート後の伸びを比べると判断できます。
具体的には「スタートから〜第1ターンマーク」までで、 スピードが伸びて他の艇に追いつく場合は行き足が良いと判断できます。
逆に他の艇に離される選手は、行き足が出ていないです。
行き足は、慣れるまで判断が難しいかもしれませんね。
周回展示の見方と予想
競艇の周回展示では、主にターンの練習を行います。
スタート展示の後、一定間隔ごとに各艇が出発します。
「第1ターンマーク→第2ターンマーク→第1ターンマーク」の順番に合計3回ターンします。
周回展示では、「艇の乗り心地」と「回り足」をチェックしましょう。
艇の乗り心地とは?バタついてる選手はNG
艇の乗り心地を判断するポイントは3つ。
まずは「艇がバタバタしていないか」です。
これは目視になるので慣れないと難しいのですが、 バタついている艇は水しぶきが大きかったり、振動が大きかったりします。
逆にバタついていない場合は、ターンした後スムーズに加速できています。
2つ目は「ターンマークを軸に旋回できているか」です。
舟先をしっかりターンマークに寄せて回れていたらGOODです。
また、ターンしながら内側に流れる艇は、周り足が良いと判断できます。
3つ目は「ターンが膨れていないか」です。
ターンを曲がった後に、艇が流れて大きく膨れてしまう場合は要注意です! ペラやモーターの調整が上手くいっていない可能性が高くなります。
逆に調整が上手く決まった選手は鋭くターンできています。
しかし、これらは数値では出ません。
目視で確認することになるので、周回展示を何度も見て慣れることが重要です。
競艇の展示タイムとは?
競艇の展示タイムとは、各艇が直線を走ったタイムのことを指します。
距離は150m。
場所は周回展示2周目の「バックストレッチのスタートライン延長線から〜第2ターンマーク」までとなります。
さて、展示タイムで分かることは「モーターの伸び足」です。
モーターの伸び足とは「直線での最高速」です。
伸び足が良いと、バックストレッチで他の艇を追い抜くことができます。
そして、特にアウトコースで伸び足は重要です。
伸び足が良いと、そのままの勢いで第1ターンマークでまくりを決めやすくなります! 展示タイムの見方ですが、早ければ早いほど「伸び足が良い」と判断できます。
150mなので、平均タイムは「6.50」ほど。
例えば「0.15秒」違うとバックストレッチで1艇身の差ができると言われています。
オリジナルタイム(直線、まわり足、1周タイム)は何を見る?
最近はオリジナルタイム(直線、まわり足、1周タイム)を公表するレース場も増えています。
直線タイムでは、 展示タイムとは違った直線タイムを見ることができます。
2つの違いはこちら
- 展示タイム(1マーク旋回後のスタートライン延長線150m)
- 直線タイム(1マーク旋回後の立ち上がりから直線の120m)
両方ともバックストレッチで計測されていますが、計測区間が違います。
展示タイムは伸び足を計測できます。
対して直線タイムは、ターン後の立ち上がりからスピードが乗るまでを計測します。
出足プラス伸び足といったイメージです。
1周タイムでは、文字通りコース1周を測定します。
展示タイムと比べて「ターンの良し悪し」まで含めてデータの分析が可能です。
まわり足タイムでは、 第一マークの入り口から出口までを計測します。
1号艇のタイムと、2〜6号艇のタイムを比較すると、モーターの良し悪しを判断しやすいです。
1号艇は波が穏やかな水面を回るのに対し、他の艇は引き波の影響を受けます。
よって、2〜6号艇は1号艇よりタイムが下がりやすいです。
それにも関わらず、1号艇が他艇よりタイムが伸びない時は、モーターの調子が悪いと予想できますね。
このように、オリジナル展示では周回展示にプラスして、モーターの良し悪しを判断することができます。
オリジナル展示を公開している競艇場のHPを見てみますと、 各タイムの1番時計(1番にゴールした選手)は赤い数字で表示されます。
なので、ボートレースファンの間では「オール赤なら買い」とよく言われます。
まとめ:展示航走は予想で必須!オリジナルタイムも見てみよう
今回は展示航走についてみてきました。
- 競艇の展示航走とは
- 周回展示の見方
- スタート展示の見方
- 競艇の展示タイムとは
- オリジナルタイム(直線、まわり足、1周タイム)は何を見る
展示タイムはボートレース公式サイトが1番よくわかります。
オリジナルタイムについては各競艇場のHPを確認してみてください。
展示は数字の分析も大切ですが、「目展示」といって見た目の判断も必要になってきます。
この目展示ですが、どこを見るかは個人差があり、これといった正解がありません。
「ボートが暴れていない」、「ターンマークを外していない」、「ターンで流れていない」など、何回も展示を見ていると感覚が掴めてきます。
予想をする際は、ぜひ展示を活用してください。