ボートレース・大時計昇降装置故障
ボートレースのシンボルともいえる大時計。
正式名称は「発走信号用時計」です。
スタンド中央の水面寄りに設置され、直径3m以上と規定があります。
そして重量は本体だけで1.5~2トンです。
今回の平和島で故障したのは「昇降装置」の部分。
ボートレース平和島は潮の干満があります。
潮位の変化があっても、昇降装置のおかげで大時計の高さを調節できるのです。
そのため、この昇降装置が故障したら選手は時計を視認できません。
水面が上がった場合、大時計の下部が見えなくなるからです。
満潮になると、もっと大変!大時計が水没してしまいます。
そうなると電気系統をはじめ、あらゆる部分で支障をきたします。
ボートレースの大時計は超精密
大時計はボートレース創成期から存在します。
何度かモデルチェンジがあり、現在のタイプは平成7年ごろから定着しました。
驚くのは大時計の精度です。
誤差が「1000分の3秒以内」という法規があります。
これを実現するのは至難の業。
大時計の製作は、設計から完成までおよそ半年かかるそうです。
精密さを保つ工夫もあります。
温度による膨張を防ぐため、内部はエアコンによって25度前後に常に保たれています。
かなり大掛かりな作りなんですね。
今回、なぜ平和島の大時計が故障したのか分かりませんが、大時計のメンテナンスは頻繁に行われています。
そして機械の調整は年に4回以上、そして交換は5、6年ごとになっています。
念入りに手入れされている大時計ですが、中止打切りは非常に稀。
2020年9月の三国競艇場では、落雷のため大時計が故障し、開催中止になったことがあります。
ただし今回は恐らく通常の故障。
原因の発表と、今後の改善に注目です。