競艇のプロペラとは?選手の調整次第で勝率も大きく変わる!?
競艇において大切な要素のひとつであるモーター。
そのモーターに付随しているプロペラは、
選手が手を加えることが可能
なパーツです。
金属製で調整が難しそうなペラですが、ケージに合わせて叩くことで羽の角度を弄ることができます。
実際にボートレーサーの 上平真二(うえひら・しんじ)選手 がペラを叩いている動画を出していましたので、見てみると分かりやすいです。
プロペラは通常モーターの交換にともなって、新しいものに更新されます。
基本的には
1年に1回新しいもの
に交換されますが、事故などで破損した場合や
7ミリ以上のヒビ
が確認された際にも交換申請を行うことが可能です。
それを避けるためにプラスチックハンマーや木槌などで調整を行うのですが、ヒビ割れを起こしてしまった場合はペナルティとして弁償を行わなければならないといけないなどといったルールも存在しています。
このあたりのペナルティはまた後述させていただきます。
これらをしっかりと調整出来る選手はレースでも強く、調整力はそのまま予想にも繋がります。
かつては持ち込み制だった?プロペラの歴史とは
現在はボートレース場が用意したペラを使ってこそいますが、実は2012年ほどまで
ペラは持ち込み制
で、選手自ら自分に合う形に調整したペラを使用することができました。
ペラグループと呼ばれる
一緒にペラを叩いたりする研究会
のようなものが立ち上げられたりもしています。
現在でもペラグループは残っていますが、現在は一緒にモーターの研究を行ったり練習をしたりなど、少しだけその内容は変わっています。
このペラグループは支部ごとにわかれ、当時は数多くのグループが存在していました。
今は引退してしまったレジェンドレーサー「
今村豊(いまむら・ゆたか)
」さんもかつてはペラグループを率いていたんですよ。
メンバーには現在SGで活躍する一戦級の白井英治(しらい・えいじ)選手などが在籍していました。
この持ちペラ制は1988年〜2012年まで続いていましたが、2012年4月に廃止。
その理由は選手の調整技術が著しく向上したため、
調整力があれば弱いモーターでも勝ててしまう
ようになったからとのことでした。
確かにモーターの情報が当てにならなくなるのは予想する側としても困りますからね。
持ちペラ制の細かいあれこれは別記事もありますので、ぜひそちらもどうぞ。
調整の細かい取りきめ!4度目のペラ交換をすると出場停止・・・?
現在だと用意されたプロペラを調整することが出来るわけですが、その調整には細かいルールが定められています!
- 金属製のハンマーは禁止
- ヒビを入れてしまった場合は弁償しなくてはいけない
- ペラ交換が4度目になると出場停止のペナルティも付く
このようにプロペラの調整には
ペナルティなどもある
ので、新人選手や調整が下手な選手からすると少し怖い部分も多いかもしれませんね。
ペナルティが怖くて叩けない、となると予想にもかなり響いてくるので注意が必要です。
逆もしかりで、前節の使用者が調整力の高い選手だった場合はあえて調整せず「 ノーハンマー 」としてそのまま利用する選手もいたりなどします。
2種類のノーハンマー!良いノーハンマーと悪いノーハンマー
先述したようにノーハンマーで走る選手にはペナルティを恐れる選手だけではなく、ペラ調整が苦手だったりそもそも叩かないという選手もいたりします。
そもそも叩かないという選手だと
太田和美(おおた・かずみ)選手
や
田中信一郎(たなか・しんいちろう)選手
などが該当します。
どちらも元の状態がよければそのままノーハンマーでよしとする選手で、実際ハンマーをいれないままSGを走られたりもしていました。
ペラ調整を恐れる選手の方だと最近は高田ひかる選手は3回目のペラ交換を行ってしまったため、4回目にならないようノーハンマーを目標に掲げていました。
このように「ノーハンマー」とする選手はだいたい2種類に分けることができ「そもそも足が良い」という良いノーハンマーなのか「ペラ交換のペナルティを恐れている」悪いノーハンマーなのか、意味合いは大きく変わります。
前者ならば買いの対象になりますし、後者ならば比較的避けたいところ。
少し手間ではありますが、モーターを見て前節の使用者を調査するとより良い予想ができますよ!
メーカーはヤマト発動機!プロペラはどこで販売している?
現在競艇で使われているプロペラは、ヤマト製のプロペラです。
このヤマト社というのは群馬県太田市に本社がある「
ヤマト発動機
」。
主に
競艇関係の器具・設備
を作って卸している専門の会社ですね!
- ボート
- モーター
- プロペラ
- レスキュー艇
- 回転計
- etc…
これら競艇に必要なものをすべて一手に引き受けている、ボートレースには欠かせない会社です。
経営権は競艇の創設に尽力し、競艇のドンとも呼ばれる
笹川良一(ささがわ・りょういち)さん
の一族が経営権を持っています。
このヤマト発動機からは毎年約2,500枚のプロペラが競艇場や養成所(やまと学校)へと出荷されているそうです。
モーターの出荷数は年間1,500機とのことですので、やはりプロペラは比較的消耗も早いことが分かりますね。
卸されているプロペラは「
S1-改型プロペラ
」という名称で直径187mm、ピッチ215mmの2枚翼。
重さは373±1gと品質管理・均一化に力を入れ作成されています。
黄金色が非常にかっこいいですね!
このプロペラはサイン用レプリカが売られていたりもするので、気になる方は買ってサインを貰ってみるのもいいかもしれません!
事故の際にはプロペラが凶器になる!?
速度を出すために非常に大切なプロペラですが、
事故の際にはとてつもない凶器
になってしまいます。
競艇用のモーターが生み出すパワーは凄まじく、その回転速度は
分速にして6000回転以上
にも及ぶといわれています。
金属製の鋭利な羽がそんな速度で回っているのですから、人間が触れてしまったらどうなるのかは容易に想像出来るでしょう。
顔面とプロペラが接触し75針縫う怪我を負った植木通彦さん
元ボートレーサーであり現BOAT RACE振興会ボートレースアンバサダーの植木通彦(うえき・みちひこ)さんは、現役時代にその脅威に晒されました。
1989年1月16日、桐生競艇場にて出走していた植木さんは1周目第1マークで転覆。
投げ出された水中の中で後続艇のプロペラが顔面に接触し、なんと
顔面を75針も縫う大怪我
を負うこととなっていました。
幸い命に別状はなく、整形手術にも成功したため現在はひと目でわかるような跡は残っていないようですが・・・。
もし仮に自分がその状況に置かれたら、と考えるとかなり恐ろしいですよね。
【競艇プロペラ事件1】自分以外のボートをプロペラ交換!?
天然であれ故意であれ、自分のボート以外のプロペラを交換してしまう方も存在しています。
自分のボート以外のペラ交換をした事件で有名なのは2件。
- 大嶋一也(おおしま・かずや)
- 国光秀雄(くにみつ・ひでお)
この両選手が起こしてしまったものが有名です。
まず大嶋一也さんは2007年11月20日、浜名湖競艇場で開催された SG「第10回競艇王チャレンジカップ」3日目、第7R1号艇で出走を控えていた際に事件を起こしてしまいました。
それが第6Rに1号艇で出走予定であった森秋光(もり・あきみつ)さんの
プロペラを間違えて交換してしまう
というもの。
展示航走終了後のプロペラ交換等は認められていないことから森秋光さんは選手責任外の欠場。
大嶋一也さんは内規違反として第7Rを
選手責任による欠場および即刻帰郷
になりました。
【競艇プロペラ事件2】八百長のトリックでも使用されたプロペラ
国光秀雄さんの場合はガチガチの
八百長事件
。
SG優勝したことある国光さんでしたが、実は八百長に手を染めていました。
他選手と手を組み規定よりも50グラム軽いプロペラを作成、そのプロペラを国光さんが持ち込み
他選手に手渡し使用させることで勝たせる
という不正行為を行いました。
しかしこの八百長行為は不正プロペラを使用した選手の告発により発覚。
国光秀雄さんは競艇界から永久追放されることになりました。
【まとめ】ペラの調整はレースを大きく左右する!調整力が高い選手を見極めよう!
今回は競艇におけるプロペラについて解説させていただきました!
プロペラの整備は
競艇予想にも大きな影響を与える要素のひとつ
です。
特に前節で使用していた選手が誰なのかというのは予想するならば調べる価値アリ!
選手の調整力を見極めてよりよい予想を立てましょう!