平和島競艇場が公式ホームページで謝罪
平和島競艇場の公式HPでは、今回のレースに関する説明があります。
内容を要約すると以下の通りです。
- 1号艇の高憧四季が、1周1Mで2号艇が転覆したと誤認
- その後、2周1Mで転覆艇を探しながら走行
- 5号艇の塩崎桐加は高憧選手につられて減速
その後、両選手には厳重な注意が与えられ、即刻帰郷処分となりました。
公式ホームページに、誤認理由が詳細に説明されるのは珍しいケースです。
レース解説・不適格な航法は何故起こった
レースの詳細を見てみましょう。
【出走表】
- 1号艇:高憧四季
- 2号艇:山崎小葉音
- 3号艇:稲生夏季
- 4号艇:山田理央
- 5号艇:塩崎桐加
- 6号艇:大澤真菜
スタートは、②山崎小葉音がコンマ01のフライング。
山崎選手はFに気づかず、1Mではジカまくりを敢行。
ただし、流れてしまい、①高憧四季が先マイします。
※この時、高憧選手は2号艇がフライングではなく、転覆したと誤認したそうです
2Mでは、①高憧選手が1位独走、2着には⑤塩崎桐加が付いてきます。
さて、問題の2周目1M。
高憧選手は、ターンマーク近辺から大きく減速。
塩崎選手もつられて減速してしまいます。
映像見ると、塩崎選手は高憧選手を見ているので、つられたのは間違い無さそうです。
信号機を見れば、フライングと転覆は間違えない
高憧四季は「フライングと転覆を誤認した」とコメントしていますが、信号機をしっかり見れば、このような事態は避けられます。
以下に、各信号機の動きを紹介します。
フライング | 転覆 |
---|---|
失格・欠場信号灯が点滅 該当番号の表示装置が表示 |
危険信号灯が点滅(黄色と赤色のランプ) 事故艇の内側を旋回させる場合に、航走指示灯が点滅 |
要するに、フライングと転覆では信号が全く異なります。
今回の場合、高憧四季が信号機に対し、十分に注意していなかった可能性があると考えられます。
出場停止・褒賞懲戒審議会の処分は?
高憧四季、塩崎桐加の両レーサーは即刻帰郷となりましたが、後日、処分が下される予定です。
処分内容は褒賞懲戒審議会によって決定されます。
この審議会は、数ヶ月に一度の割合で開催され、日本モーターボート競走会が「選手、審判員、検査員」などの懲戒について審議する会です。
処分内容・過去の事例
今回のケースは、どのような処分内容になるのでしょうか。
2022年の事例を見てみましょう。
レーサー | 内容 | 処分 |
---|---|---|
森世里 | 本番レースとスタート展示を勘違い | 4ヶ月の出場停止 |
西川新太郎 | 周回誤認 | 4ヶ月の出場停止 |
冨名腰桃奈 | 自身がフライングと勘違い | 3ヶ月の出場停止 |
過去の事例から判断すると、今回は3~4ヶ月の出場停止処分になりそうです。
PG1レディースチャンピオンに出場できない?
高憧四季は、不適格な航法を行いましたが、期待の若手女子レーサーとして活躍しています。
2023年3月には初優勝し、女子戦ではドリーム戦1号艇に乗るなど、飛ぶ鳥を落とす勢いです。
そんな高憧選手は、大阪支部に所属。
こちらは、東京支部や福岡支部と並ぶ、100人以上のレーサーが所属する大規模な支部です。
久しぶりに大阪支部から登場した実力派女子レーサーなので、今回の事件は大きな注目を集めています。
最も危惧されるのは、8月上旬開催のPG1レディースチャンピオンへの出場です。
レディースチャンピオンの出場条件は、勝率上位の女子レーサーです。
現在、高憧選手の勝率は6.37と、女子全体で28位となっています。
このため、レディースチャンピオンへ出場できる可能性は非常に濃厚でした。
ただし、本開催は選出除外があります。
それは、「褒賞懲戒規程による出場停止処分を受けた選手」です。
褒賞懲戒審議会の開催時期によりますが、レディースチャンピオンの出場は、ほぼ100%不可能と考えられます。
期待の女子レーサーなので、今回の出来事は残念ですね。
なお、高憧選手の勝率は6.37ということで、来期はA1級昇格が濃厚となっています。
今回の件で落胆することなく、より一層強い女子レーサーになってほしいですね。