まずは競艇の5コース(5号艇)の基礎知識・基本情報をご紹介
競艇の5コースとはその名の通り、内側から数えて5番目のコースを指します。
6艇立てのレースであれば外から2番目のコース、インコースが圧倒的に有利な競艇においてはかなり不利なコースなのが大前提です。
どれくらい不利なのかは後ほど数字とともにご説明するとして、まずは5コースの基礎知識を見ていきましょう。
5号艇(黄色)が5コースになることが多い
競艇では1~6号艇の6選手が1つのレースに出走しますが、進入が変わらなければ5コースに入る選手は5号艇の選手です。
5号艇は艇のナンバープレートや選手が来ているカポックなどが黄色で統一されています。
競艇をはじめとする公営競技では、枠番などで色がはっきり分かれているため、遠くからみても分かりやすいのが良いですね。
5コースの1着率は6%前後、3連対率も平均は40%を下回る
インコースが圧倒的に有利な競技であるため、アウトコースに含まれる5コースの成績は必然的に悪くなります。
全24場の平均データを見ても、3連対率は40%を下回っていて、1着率に関しては6%前後しかありません!
100レース中6レースしか1着に来ないということです。
この6レースを射止めるのはもちろん至難の業ですが、反対にこのデータを頭に入れておけば、高配当を狙った強引なアウトコース狙いを減らすことができるでしょう。
5コースの代表的な決まり手は「まくり差し」で発生率は62%
5コースが1着に来るパターン、最もよく見られる決まり手は「まくり差し」です。
直近1年間(2023年10月29日~2024年10月29日)にかけて、5コースが1着になったレースは2,425
レースあります。
決まり手発生率は以下の通りでした。
- 【差し発生率】6.8%(164レース)
- 【まくり発生率】18.7%(454レース)
- 【まくり差し発生率】62.1%(1,506レース)
- 【その他】12.4%(301レース)
5コースが1着になったレースのうち、半分以上のレースの決まり手がまくり差しです。
まくり差しは展開を突いて発生するパターンが多いため、5コースが勝利するためには他の艇の動きが非常に重要なのが分かります。
競艇の5コース(5号艇)は圧倒的に不利!しかしオッズは跳ね上がる
ボートレースの5コースは圧倒的に不利です。
というより、外枠(アウトコース)の4、5、6コースは全て不利となっています。
それは各コース1着率を見ると一目瞭然。
5コースの成績が最も良い平和島競艇場、平均的な津競艇場、最も悪い大村競艇場の各コース1着率で比較してみましょう。
競艇場 | 1コース | 2コース | 3コース | 4コース | 5コース | 6コース |
---|---|---|---|---|---|---|
平和島競艇場 | 43.9% | 17.6% | 14.9% | 13.1% | 7.3% | 3.4% |
津競艇場 | 55.0% | 13.7% | 12.1% | 11.2% | 6.1% | 1.9% |
大村競艇場 | 62.7% | 11.5% | 10.7% | 9.6% | 3.9% | 1.5% |
左回りで3周するボートレースの競技上、内枠の方が有利になります。
それにしても5、6コースの勝率は低いですね・・・。
ただし、その分オッズが跳ね上がります。
下関競艇場G1地区選の優勝戦を例に見てみましょう。
(出走表)
- 1号艇:寺田祥
- 2号艇:大峯豊
- 3号艇:海野康志郎
- 4号艇:前本泰和
- 5号艇:上平真二
- 6号艇:原田篤志
(オッズ)
- 1-2-3(7.9倍)
- 2-1-3(62.1倍)
- 3-1-2(54.2倍)
- 4-1-2(122倍)
- 5-1-2(305.3倍)
- 6-1-2(416.2倍)
オッズを見ると5コースを軸にした予想を試したくなりますね。
100円でも3万円を超える払戻が狙えるのは夢があります!
それでは5コースから高配当を狙える方法を見てみましょう。
5コース(5号艇)から高配当を狙うには展開とスジが重要!競艇予想のコツ
まずは5コースの王道パターンやスジ舟券(筋舟券)を確認しましょう。
基本的に5コースはスタートを決めない限り、展開待ちになります。
ちなみに競艇のコース別決まり手で、発生率が最も高い王道パターンは以下の通りです。
- 1コース:逃げ
- 2コース:差し
- 3コース:まくりorまくり差し
- 4コース:まくり
- 5コース:まくり差し
- 6コース:まくり差し
アウトコースのまくり差し発生率が高いのは、センターコースのまくり発生率が高いから。
逆にいえば、センターコースがまくりにいかない限り、アウトコースの活躍の可能性は低いといえます。
自力でスタートを決めての一撃もありますが、基本的には5コースは展開待ちになり、展開をついてのまくり差しで1着を取るケースが多いことが分かります。
「3コースと4コースの動きが鍵になる」というわけです。
5コースの1着を狙うためのポイント1:センターコース(3・4コース)の伸びとスタートタイミング
5コースがまくり差しで1着になる展開が最も期待できるのは、「センターコース(3・4コース)がまくりを狙った展開」です。
センターコースがまくりを狙った場合、インコースが潰されるためアウトコース勢の差し場が空き、まくり差しが決まりやすくなるというわけです。
センターコースがまくりを狙うかどうかを見極めるためには、「伸びとスタートタイミング」に注目する必要があります。
センターコースの展示タイムや直線タイムが良い、もしくはスタート展示でコンマ0に近いスタートを決めている場合、レースではまくりを狙う展開が望めます。
4コースがまくりを狙えば、自然と内側にスペースができるため、5コースの1着率は大幅に上昇します。
「5-4」が発生することが多く、かりにアタマまで来れなくても、「4-5」というスジ舟券が成立し、高配当が望めるパターンです。
5コースの1着を狙うためのポイント2:2~4コースのスタートタイミングが遅い
2~4コースのスタートタイミングが遅い場合、5コースの選手は自力でまくり差しを狙うチャンスです。
5コースの選手は2~4コースを飲み込んだあと、十分なマイシロ(ターンマークとの距離)を取ってターンすることが可能です。
ターン後は1コースの選手と勝負になりますが、外からのターンで角度が付き勢いがある+競り合いは内側の艇が有利という2つの面で、5コースに大きなアドバンテージがあります。
このような展開の場合は、「5-1」のスジ舟券が成立しやすくなります。
またこのような展開では、スタートでリードを取っているためそのまままくりを狙う展開も見られます。
その場合は「5-6」のスジ舟券が成立し、より高配当が発生しやすくなります。
5コースの1着を狙うためのポイント3:強い向かい風が吹いているレース
強い向かい風が吹いているレースは、問答無用でアウトコースにチャンスが生まれやすいです。
インコース勢はスロースタートが一般的で、助走距離が短くなる傾向にあります。
向かい風が強いとインコースはスタートでスピードに乗ることができず、助走距離の長いアウトコース勢のスピードに飲み込まれてしまいます。
サイドが掛かりターンもしやすいため、まくりやまくり差しの発生率は高くなり、5コースの1着率も上昇傾向にあります。
一方、風がさらに強くなると転覆防止のための「安定板」が着用されることがあります。
安定板が着用された場合はスピードレースとはなりにくく、引き波の影響も大きくなるため1コースが有利です。
高配当の出目!5コース(5号艇)がまくり差す場合の買い目は?
5コースのまくり差しが決まりそうな場合、「5=1-全」の買い目が鉄板になります。
2、3は5の引き波に飲み込まれますし、4、6はどうしても遅れをとってしまいます。
もし、5が自力でスタート決めてのまくり一撃なら、「5-6-全」を狙うのも面白いです。
しかし、ほとんどは展開ついてのまくり差し。
一撃狙いは余程の根拠がないと危険です。
また、4コースがまくりに行っての、5のまくり差しは4と6が2着に来やすいです。
「5-46-全」を狙って高配当が期待できます。
3コースが強気にまくる選手の場合、3が2着に残るパターンも押さえたいところ。
そうなると「5-3-全」の目も狙えます!
5コース(5号艇)が強い、1着率が高い競艇場は平和島・鳴門・戸田
5コースのアタマを狙う場合、そのレースの展開以外にも注目したいのが競艇場の特徴です。
競艇は競艇場ごとに水面特性や気象状況が大きく異なるため、各コースの1着率も変化します。
例年5コースの活躍が目立つ競艇場は以下の3場です。
- 平和島競艇場(ボートレース平和島)
- 鳴門競艇場(ボートレース鳴門)
- 戸田競艇場(ボートレース戸田)
5コースまくり差し発生率No1!平和島競艇場
平和島競艇場は狭い水面、さらには荒れやすい難水面ということもあり、インコースが非常に不利な競艇場です。
さらに、「バック側は内側が強烈に伸びる」という特殊な水面特性があるため、まくり差しを狙った艇がそのまま伸びて1着になるパターンが非常に多いです。
実際、平和島競艇場は4~6コースの1着率が全国で最も高く、とくに5・6コースの1着率は毎年のように1位となっています。
直近1年間の5コース1着率は7.3%(全2094レース)。
そのうちの約60%はまくり差しでの決着となっています。
「鳴門の花道」が5コースをアシスト!鳴門競艇場
鳴門競艇場はスタートラインから1マークへ向けてコースがどんどん狭くなる水面が特徴的で、インコースが非常に難しい競艇場です。
まっすぐ走れるセンターコースのまくりがよく決まるため、その展開を突いた5コースのまくり差しもよく見られます。
また、そのまくり差しをアシストするのが「鳴門の花道」。
鳴門の花道とはバックストレッチの内側に存在する「伸びるコース」。
まくり差した選手がバック側の鳴門の花道でさらに伸びていき、リードをする展開が目立ちます。
直近1年間の5コース1着率は7.3%(全2195レース)で、平和島競艇場と並びトップです。
日本一狭い競走水面!戸田競艇場
戸田競艇場は日本一狭い競走水面で有名な競艇場です。
スタートラインのコース幅は50m、さらに第1マークのコース幅は37mとさらに狭くなっています。
そのため1コースの選手は斜めに走り窮屈なターンを強いられることとなり、反対にまっすぐ走ってターンを迎えられるセンターコースのまくりがよく決まる競艇場です。
センターコースの成績がトップクラスに良い競艇場ですが、それに付随して5コースの成績も良い傾向にあります。
ちなみに直近1年間の5コース1着率は6.9%(全2269レース)。
センターコースまくりのスジで舟券に絡むことが多く、平和島や鳴門よりも3連対率が高くなっています。
5コース巧者、5コース(5号艇)が上手い選手ランキング!
たとえ一流選手であっても、そもそも不利な5コースの成績は低くなる傾向にあります。
しかしなかには5コースが上手く、成績が安定している選手も見受けられます。
今回は5コース巧者の選手を3選手紹介します!
第1位:中辻崇人
中辻崇人は福岡支部所属の79期生。
G1優勝歴を持つA1常連のベテランレーサーです。
直近1年間の5コース成績は以下の通り。
出走数 | 1着率 | 2連対率 | 3連対率 |
---|---|---|---|
36レース | 30.6% | 61.1% | 86.1% |
5コースの3連対率は全レーサーで最も高い86.1%。
ちなみに中辻崇人は2024年の全コース総合の3連対率も82.7%でトップです。
これにはG2以上のレースには出場せず、一般戦とG3のみに出場しているのも大きく関わっていますが、それを加味しても凄い数字なのはたしかです。
第2位:菅章哉
菅章哉は徳島支部所属の105期生。
チルトを跳ねた調整で大ブレイクした、現代競艇において珍しいタイプの選手です。
まくり巧者の菅章哉は主にアウトコースでその力を発揮しています。
直近1年間の5コース成績は以下の通り。
出走数 | 1着率 | 2連対率 | 3連対率 |
---|---|---|---|
32レース | 37.5% | 46.9% | 59.4% |
チルトを跳ねた伸び型調整が大きな特徴なので、5コースからはまくりを狙った一発狙いの走りが魅力的です。
そのため、1着率は全レーサーでダントツに高い37.5%となっています。
(出走数20レース以上参考)
一方、まくれなければそのまま着外に沈む展開も多くなるため、3連対率は低め。
菅章哉が5コースにいるレースは、菅章哉が1着に来るか着外かを考えて予想する必要があります。
第3位:茅原悠紀
茅原悠紀は岡山支部所属の99期生。
6コースからのグランプリ優勝という逸話を持つ実力派レーサーです。
グランプリでの走りだけではなく、例年アウトコースの成績が良い選手ですね。
直近1年間の5コース成績は以下の通り。
出走数 | 1着率 | 2連対率 | 3連対率 |
---|---|---|---|
41レース | 17.1% | 41.5% | 75.6% |
1着率は見劣りするものの、3連対率は75.6%とかなりの安定感です。
これはSGやG1を含んだ数字、道中争いの腕前はトップクラスだといえます。
茅原悠紀が5コースで出走するレースでは、連絡みの予想を組み立てるのがベストかもしれません。
【まとめ】5コース(5号艇)の魅力は高配当!展開を読んでアタマ狙いをしてみよう!
今回は高配当が魅力な5コースの狙い方について、展開や買い目の選び方など競艇予想に役立つ情報を紹介しました。
5コースはあくまで展開待ちの枠番です。
5コースを軸にした予想は非常に難しく、舟券に絡まないことも多め。
ただし、外枠の中では圧倒的に1着が取りやすいコースです。
4コースと比べるとわかりやすいと思います。
まくり主体の4コースでは、まくり展開で4を軸にした「4-1-全」はかなり稀な買い目です。
対して5コースからのまくり差しは、角度が良ければ「5-1-全」を十分狙えます。
スタートタイミングや伸び足をみて5コースアタマを狙ってみてはいかがでしょうか!